会長挨拶

特別支援教育実践研究学会の明日に向かって

       特別支援教育実践研究学会会長・東京学芸大学名誉教授 渡邉 健治

  •  私たちの特別支援教育実践研究学会は、2019年10月に発足しました。2020年8月に予定していた「特別支援教育実践研究学会第1回大会(山形大会)」は新型コロナ感染症の懸念から延期されることになりました。2021年度も感染症は収まることなく、大会は再び延期となりました。特別支援教育実践研究学会の大会は、学会活動において最も重要な活動であり、大会を機に学会の飛躍的な発展を期待していたのですが、希望を消失させる結果となってしまいました。
     その間、学会としましては、本学会の機関誌「特別支援教育実践研究」を2021年3月に創刊号、2022年3月に第2号を発刊しました。また、大会が開催されないので、会員が本学会にどのような思いをもち、どのように臨んでいるのかを知るために、①会員自身の近況報告、②本学会についての思い(学会に対する期待)、③研究計画、④研究ノート、⑤簡単な研究報告、を内容として学会報「学会の活発化を目指して」を2022年3月に発行しました。そして、2021年11月6日に、オンラインにより、シンポジウム「学習指導要領改訂により知的障害教育はどう変わるか!」をテーマに実施し、100名近くの参加で活発な議論が展開されました。
     2年間延期されていた「特別支援教育実践研究学会第1回大会(山形大会)」は、2022年8月20日(土)~21日(日)にようやく開催することができました。大会では講演が企画され、シンポジウムや発表において真剣な討論が交わされました。加えて、大会期間中には懇親会や食事や休憩の時間に会員同士が旧交を温めたり、情報交換が行われ、実はそれが会員の活動の原動力にもなっております。出発したばかりの学会ですが、教育実践研究を中心とした本学会は学校現場の教員及びOBが学会活動の多くを担っています。学校現場に関わる研究を幅広く展開し、喫緊の課題にも果敢に取り組み、研究を基盤にして、教育実践に関する教育政策に対しても積極的に提案していきます。 また、研究の裾野を広くして学会の体力を強固にするため、実践研究の他にも理論研究、歴史的研究、海外研究をも推奨していきます。どうか、皆様が特別支援教育実践研究学会の活動に参加してくださり、日本の特別支援教育の教育実践を共に発展させていこうではありませんか。
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